シニアになると気になることに、寝たきり、介護などの問題があります。
ドライフードを長年食べている、ダイエットフードやシニア用フードを食べていると将来寝たきりのシニアになる可能性もあるかもしれません。
人の高齢者ではフレイルやサルコペニアという問題が注目されています。
私は、寝たきりの老犬たちはもしかしたらそういうことが関連しているのではないかと考えるようになりました。
フレイルやサルコペニアといったことは、栄養と大きく関係しています。
ドライフードで必要最低限のタンパク質しか摂取していない犬たちの寝たきり状態はそういったことと関連しているのかもしれません。
ハイシニアになったときに、愛犬が寝たきりにならないように犬に必要な栄養をしっかり摂取できるごはんを与えてあげたいですね。
フレイルとは?
フレイルという言葉を聞いたことがありますか?
フレイルとは「加齢により心身が衰えた状態」のことを言います。
つまり、人で言えば、健康と介護の中間を意味します。
年齢を重ねていけば、誰にでも起こることだと思っていませんか?
でも実は、フレイルは早期に気づき、治療や予防をすることで元の健康な状態に戻る可能性があります。
フレイルになると、身体能力の低下や病気にかかりやすいという状態がおこりやすいです。
よく、シニアの先住犬にパピーを迎えたら、先住犬が若返ったという話を聞いたことがありますよね?
これは、もしかしてフレイル状態だった老犬が、パピーを迎えたことで生活に張りができ元の健康な状態になったと考えることができるのではないでしょうか?
サルコペニアとは?
サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少することを言います。
人の場合、加齢が原因でおこるものと、加齢以外の原因でおこるものに分類されます。

加齢以外の原因でおこるものに、疾患に関連するものと栄養に関連するものにわかれます。
栄養に関連するものの原因として、吸収不良や消化器疾患、タンパク質の摂取力不足に起因するものなどがあげられます。
骨格筋量や筋力、身体機能はタンパク質の摂取量に深く関係していて、タンパク質の摂取の重要性が言われています。
人の場合、体重1㎏あたりのタンパク質の必要量は0.8gです。
では、犬の場合はどうでしょうか?
犬の場合、体重あたりのタンパク質必要量は人よりもはるかに多く、体重1㎏あたり2~3gのタンパク質が必要です。
ドライフードを食べていて心配なこと
では、あなたの愛犬の食べているドライフードにはどれぐらいのタンパク質が含まれているでしょうか?
犬にとって必要な良質なタンパク質は動物性のタンパク質です。
つまり、肉や魚、卵などです。
それでは、次の質問です。
あなたが愛犬に与えているドライフードには動物性のタンパク質はどれぐらい含まれていますか?
そんなの簡単!
ドライフードのパッケージには成分分析値が載っているじゃない?
そう思っていませんか?
でも実は、ドライフードのタンパク質は動物性だけではなく、植物性のタンパク質も含まれた量です。
大豆やトウモロコシ、小麦、エンドウ豆といった原材料の名前がありませんか?
それらはすべて植物性のタンパク質が多く含まれますので、フードのパッケージに記載されているタンパク質量では、動物性のタンパク質がどれぐらい含まれているのかは、残念ながら私たち飼い主にはわからないのです。
つまり、長年ドライフードを食べていたり、さらにタンパク質量を抑えられたダイエットフードやシニア用フードを食べていると、将来フレイルやサルコペニアといった状態を引き起こし、寝たきりになってしまう可能性があります。
手作り食のメリット
私は10年以上手作り食をしていますが、タンパク質の点から考えると、とても明瞭です。
お肉100gには約20gのタンパク質が含まれています。
つまり、愛犬に必要なタンパク質量は計算で簡単にだせるので、それに見合ったお肉の量を与えればいいわけです。
さらに、もともと肉食の犬にとって、消化もしやすいというメリットもあります。
手作り食については、適当に人の食事をアレンジしたものでは逆に栄養不足になる可能性もありますので、始める場合は手作り食の基本はしっかりと抑えてくださいね。
まとめ
いかがでしょうか?
老犬が寝たきりになるというのは、もしかしたら栄養不足が原因で起きているのかもしれません。
また、サルコペニアを防ぐには筋力も必要になりますので、適切な運動もかかせません。
犬に必要な栄養をしっかりと摂って、適度な運動をすることで、将来愛犬を寝たきりの老犬にせずに済むかもしれません。
また、適切な栄養は病気の予防にもつながります。
しかし、犬たちはそれを自ら選ぶことはできません。
愛犬の健康は飼い主さん次第、ということですね。