生肉を食べると腎臓が悪くなる?

手作りごはんにおいて、生肉(高タンパク食)を与えていると腎臓に負担がかかり腎臓の数値が悪くなる。
こんな都市伝説のようなことを聞いたことのある飼い主さんも多いかと思います。

果たしてそうでしょうか?

血液検査の結果表の見方は西洋医学と東洋医学でも違いがあります。
犬の血液検査の基準値はドッグフードを食べている子たちの基準値という話もあります。
我が家の犬は10年生肉を食べてきていますが、腎臓の数値は基準値内です。
腎臓は機能の70%が失われないと症状がでないとも言われますが、10年過ぎても今のところ問題はありません。

飼い主さんが安心して生食に踏み出せるように参考にしてみてください。

生食を与えるときに気をつけること

うちの子は生肉を食べても下痢もなく、大丈夫みたい。
生のお肉を食べたときに、そう仰る飼い主さんもいれば、生肉を食べると下痢をすると仰る飼い主さんがいます。

長年に渡りドライフードを食べてきた子にいきなり生肉を与えると下痢になることもあります。
こちらの記事でも書いていますので、ご覧ください。)

下痢がおこらないからと言って、急に生肉をたくさん与えたことにより、タンパク質摂取量が増加し急性の腎不全を起こすこともあります。
下痢を起こす場合もそうでない場合も、生食に切り替える場合は手順を踏んで行いましょう。

腎臓に関する検査

血液検査で、腎臓に関するものと言えば、BUN、Cre、Pという項目があります。

それぞれ見ていきますと、BUNは尿素窒素です。
食べたタンパク質の燃えカスです。
通常は腎臓から排泄されますが、腎機能が低下すると血液中に窒素性老廃物がたまり値が上がります。

Creはクレアチニンです。
クレアチニンは筋肉から作られる老廃物ですが、こちらも腎機能が低下すると尿中に排泄されず血液中の濃度が上がります。
筋肉の代謝物ですので、ハードな運動をする犬や去勢していないオスの場合Creの数値が高いこともあります。

Pはリンです。
リンは腎臓の機能だけではなく、糖質代謝や食餌の内容、溶血、ビタミンDの過剰摂取などによっても変化しますが、重篤な腎臓疾患の場合に上がります。

生の肉を食べている個体の場合、BUNがドライフードを食べている個体よりも高いという研究結果もありますので、一概にBUNが高いので腎臓が悪いとは言えないのです。

腎臓が悪くなると

腎機能の低下がみられたとき、動物病院では主にタンパク質の制限を言われます。
いわゆる、療法食に変えましょうというものです。

ところが、慢性腎不全の場合でもある程度のタンパク質は必要になります。
極端なタンパク質の制限は逆に犬の寿命を縮めることにも繋がります。
また、タンパク質の質も重要になります。
体内で消化をする際に、植物性のタンパク質と動物性のタンパク質では消化率も違ってきます。
消化に時間のかかるタンパク質では、結果的に作られる老廃物も多くなってしまいます。

低タンパク食でタンパク質を制限しすぎると、筋肉中のタンパク質を利用することになり、クレアチニンの値が高くなります。
BUNが下がっているがクレアチニンが上昇している場合は、筋肉中のタンパク質が利用されているということです。

低タンパク食を与える場合には、注意しなければならない点がもうひとつあります。
それは、エネルギーです。
タンパク質が制限されていると、体が必要としているエネルギーが補えない場合があります。
その場合、体に蓄えられているタンパク質を利用することになりますが、それは窒素性の老廃物を増やすことにもつながり、結果的に腎臓に負担をかけることになります。
その場合、他の原料からエネルギーを補わなければなりません。
(脂質を利用するのが便利です)

クレアチニンの値が下がらない場合、食餌の内容を見直してみましょう。
食餌については、手作りごはん応用講座で準備をしています。

腎臓は、骨髄による赤血球の生成を調整するホルモンを作り出す臓器でもありますので、腎臓が働かなくなると、貧血を引き起こします。

腎臓疾患を防ぐために

重要なのは食餌です。
腎臓は一度悪くなると、治療が非常に困難です。

愛犬の腎臓疾患を予防するための予防法の一番は生肉を中心とした新鮮な食材を与えることです。
シニアになってしまっていても、食餌を切り替えることは可能です。

うちの子はもう年だから・・・と諦めずに、手作り生食を始めてみませんか。